— (B)革新的生産・製造技術の研究開発 —

フルイディック材料創製と3Dプリンティングによる
構造化機能材料・デバイスの迅速開発

On-demand 3D additive manufacturing of structural functional materials and 3D devices through the creation of fluidic materials 超臨界水熱合成でセラミック材料のインクジェット3Dプリンティングを可能にする
研究実施機関(再委託先、共同実施先含む)
東北大学、DIC(株)、日産自動車(株)、東芝テック(株)、パナソニック(株)、クラレノリタケデンタル(株)、産業技術総合研究所、首都大学東京、京都大学、産業技術総合研究所(中部センター)、日本ファインセラミックス(株)、法政大学、名古屋大学

背景

わが国のものづくり産業では、構造化機能材料・デバイスが高収益・高利益率を上げていますが、今後は開発のリードタイム短縮が「鍵」になってくると予想されます。本テーマでは、

  1. セラミックス複合機能材料のナノ材料化、その高濃度・高機能インク化(フルイディック材料)の開発
  2. インクジェット方式(IJ)によるフルイディック材料の3次元造形技術開発
  3. 3Dプリンティング技術による構造化機能材料からなるデバイス(人工歯、3次元Li電池)の開発の迅速化と新たなイノベーションスタイルの確立

に取り組んでいます。具体的な課題と解決策としては、従来は高濃度にすると粘性が増大するため、インクジェットプリンティングによる3D造形が困難だったセラミック材料を、超臨界場水熱合成と有機修飾により高濃度充填が可能にすることを目指しています(図1)

(図1)超臨界水熱合成による高濃度・均一分散ナノ粒子化技術
(図1)超臨界水熱合成による高濃度・均一分散ナノ粒子化技術

目標

  1. 平成26年度~平成28年度

    YSZナノ材料の開発と高濃度・高機能インクの開発
    インクジェットヘッド・装置システムの開発と人工歯の試作、Li電池の形状性能確認

  2. 平成29年度~平成30年度

    構造化機能材料の高濃度・高機能インク化技術、インクジェット方式3Dプリンティングシステムおよび機能性デバイス技術の確立
    イノベーション創出体制の確立と実証

実施内容

  1. フルイディック材料研究開発

    超臨界水熱合成の基盤技術に基づいて高濃度・高機能インク化(フルイディック材料)を図る。

  2. 3Dプリンティング装置・システムの開発

    高濃度フルイディック材料に対応できるインクジェットプリンタヘッドの開発とシステム開発。

  3. 3Dプリンティング付加造形技術による高機能・構造化材料によるデバイスの開発

    自然歯に近い色調・高い審美性に富む顧客の要求に応じたオーダーメイド人工歯の開発(図2)
    小型、軽量化および高速充放電が可能な3次元Li電池の開発(図3)

  4. イノベーションスタイルの創成

    材料設計を可能とする情報技術基盤を作り、情報活用イノベーションセンターに材料・装置・技術・プロセス知・知財を集約させて人材育成と技術の普及を図る。

(図2)人工歯の事業化戦略
(図2)人工歯の事業化戦略
(図3)3次元Li電池
(図3)3次元Li電池